まもり視点です




 
















「ぁん・・・ヒル、魔」




「もっと、腰使え、って」





・・・わかってた。


ヒル魔くんの支えは 私じゃないって事ぐらい・・・









+ 少しの間だけ優しく +









アメリカ大陸横断 ウルトラトレーニング、 死の行軍(デス・マーチ)


・・・こんな事考えるのは、ヒル魔くんしかいない。




こんなに危ないトレーニング、いつもの私ならすぐに止めるんだけど・・・


今回は、黙ってついていくことにした。




もう少し・・・ もう少しだけ


ヒル魔くんと一緒にいたかったから・・・






「ヒル魔、ホントにやるの? デス・マーチ・・・」




・・・心配すんなって。 死なねーから」




「じゃあ・・・見守ってるよ」




「おぅ」












ヒル魔くんとちゃんが付き合い始めたのは、すぐ最近のこと。


キッカケは、ヒル魔くんが告白したから。


・・・まさかヒル魔くんが告白する人なんて、この世にいないと思っていたから、正直 驚いた。


でも 驚きの反面、私は凄く複雑な気持ちだった。



" 今までヒル魔くんの近くにいたのは、私。"

" 糞マネ と、変なあだ名を付けられても我慢してきたのは、私。"

" ヒル魔くんをずっと見てきたのは・・・私だけ。"



なのに、どうしてヒル魔くんは、ちゃんを選んだの?


こんなにも貴方のことを想ってきたのに、貴方は私に振り向いてもくれないの?




どんな時でも、私はヒル魔くんを一番に考えてきたのに。


人一倍、ヒル魔くんに気を遣っていたのに・・・


彼は一度も、私に微笑みかけてはくれなかった。











徹夜トレーニング、初夜。



「24時間後に出発するぞ」




ヒル魔くんはそれだけ言い残すと、重たい荷物を持ってトラックの裏側へ・・・




「ヒル魔さんだけは全然平気そうだ・・・」




それは違うわ、セナ。




「大変なはずなのに・・・ パスルートに沿ったショットの練習しながら、重い荷物抱えて指示出して・・・」




雪光くんの言う通り。ヒル魔くんが一番大変なのよ。






「まもちゃん。ヒル魔、右足痛そうにしてた・・・」




ちゃん・・・ わかったわ。 手当てしてくる」









" 貴方に言われなくても、分かってる "









急いで救急箱を持ってトラックの裏側へ行くと、 ちゃんの言う通り 赤く腫れた膝をしたヒル魔くんがいた。




いつものように、カタカタとパソコンを触っている。





キュッ





" 貴方にふさわしいのは、私。・・・ちゃんなんかじゃない。"





そう 伝わって欲しいと願いながら結んだ、白い布。





「・・・何してんだ糞マネ 早くガキのお守り行け」




「行きません」


・・・貴方の傍にいたいから




ひょい




「ちょ、やだ。動かないで」




包帯を巻こうとする私の手を阻止するように、足を左右へと動かすヒル魔くん。






 少しは、私に気を許してくれたのかな・・・?






そんな考えが、間違えの元だった・・・




















ラスベガス到着後。




みんなぐたぐたに疲れている中で一人、凄く元気に銃を乱射するヒル魔くん。





「凄いなぁ、一人だけぴんぴんして・・・」





・・・違うわよ。 本当は、此処にいる誰よりも、ヒル魔くんが辛いと思うわ。









「兄さんが試験に受かったのか、聞いてこなくちゃ!」




鈴音ちゃん、

「待って。 ・・・明日にしてあげて」




今日ぐらいは、休ませてあげて。









ヒル魔くん、いつも元気に振る舞って、辛い所なんて見せないけれど・・・




私には、弱いところも見せてくれたって、良いんじゃない?




私は・・・貴方をずっと見てきたんだから。







こんこん




鈴音ちゃんには " 明日にしてあげて " なんて言っておきながら、 ヒル魔くんの部屋をノックしている私。




だって・・・やっぱり放っておけないじゃない。




「ヒル魔くん? 着替え持ってきたけど」




応答がなかったから、やっぱり眠ってしまったのか、と思い 自室へ戻ろうとした時_________




「ぁん・・・ヒル、魔」




「もっと、腰使え、って」




聞こえた。 ヒル魔くんと・・・ちゃんの声。




反射的に、ヒル魔くんの部屋の扉に、耳をつけてしまった。





「ぁん、イ・・・っ」




「はぁ はぁ・・・」




「ヒル、魔・・・」




「・・・何、だ」




「疲れてる、でしょ?・・・少し、寝たら?」




「いや、いい・・・」




「でも・・・」




「少しでも、と・・・ 繋がって、たいから」






・・・やめて、止めてよ






「っ・・・ぃ、あっあん!」




「絞めんな、くっ・・・」




「ヒル、魔!!」




「っ・・・好きだ、









やだ、聞きたくない・・・









勝手に盗み聞きして、勝手にショック受けて・・・




何やってるんだろ、自分。 そればっかりが頭の中でまわってて・・・






思い出されるのは、ちゃんの声、ヒル魔くんの言葉・・・







" 好きだ、 "






私は 優しい言葉が欲しかったんじゃない。


私は ヒル魔くんの傍にいられるだけで良かった・・・




でも




実際にヒル魔くんの傍にいたのはちゃんで


ヒル魔くんを求めていたのも、ヒル魔くんが求めていたのも ちゃんで


私なんて、入り込む隙間すらなかった・・・




マネージャーとしてでしか、彼の傍にいることができない・・・




そんなの、嫌だよ・・・







































「・・・なぁ




「ん?」




「さっきノックの音しなかったか?」




「え?・・・全然気付かなかったけど」




「まぁ、あんだけ悶えてりゃ、聞こえないのも当然かもな」




「なっ! うるさいっ///」












ヒル魔くんの部屋の前には


散乱した衣服と、私の涙だけが残った・・・

















fin












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うーん・・・ こんなので良いのかな・・・?

まもりイヂメ、初めて書いたような気がする・・・

何とも微妙な話になってしまいましたね。。。



・・・でもね、私こういう話し大好きなんです(ヲィ

  まもちゃんイヂメて、ヒル魔さんと・・・(ぐふふ←怪








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さん。 お目汚し、失礼しました。