* せんせぇ *
あれは俺がまだ20後半くらいの時だった
西暦X年春、教員になって始めて担任として受け持つ新入生
俺はこれからのやり甲斐と、指導していけるかという不安を抱えつつ
その日、俺は本担任に着任した
入学式から早半年、俺も全員の生徒の顔と名前を一致させ
今では生徒との他愛のない会話もするようになった
そんな平凡で、でも幸せと生きている実感を覚えた頃
俺はある生徒に告白を受けた
生徒の名は
俺の受け持つクラスの学級委員でクラスの華
誰から見ても高校1年生とは思えないくらいの端整な顔立ちと
しっかりとした性格
彼女を生徒の鏡として謳う教師も少なくはない
そんな彼女が、教師であるこの俺に告白をした
「先生、私...先生が好きです」
「それはなんだ...教師としてということだろう?」
「先生、私は先生を愛していると言っているのです」
「
、お前は何を言っているのか解ってるのか?」
「はい、私は先生、庄司軍平 体育教諭に告白をしています」
俺は思わず目を見張った
冗談ならまだしも、明らかに
は
本気の眼差しを向けていたから...
いや、彼女はこんなふざけた冗談なんて言う趣味はない
だからこそ目を見張ってしまうのだ
が俺のことを好き?
アイシテル...
頭の中でそれだけが繰り返されて
だが、俺には答えられる勇気なんてあの時はなかった
心ではきっと、俺も
の事を......
いや、認められなかったんだ、勇気とかの
話しじゃない、彼女への気持ちを認められなかった
そして俺の口はまるで、腹話術人形のように
淡々と勝手に言葉を紡いだ
“生徒と教師じゃ話しにならない、それに俺は...”
「
に対して特別な感情は持ち合わせていない、一時の迷いは捨てるんだ」
ああ、彼女の走る足音が廊下に響く
その日以来、
は日に日に元気を無くしていった
そんな
を心配しないクラスメイトなんてこの学級には
ひとっこ一人いないだろう、授業と授業の合間、
昼休み、放課後、部活前、部活中
彼女の周りに人が居ない時なんてありはしなかった
そんな日が続いたある日
校庭の裏庭で誰かの話し声が聞えた
時刻はとうに下校時間を過ぎている
俺は注意するべくその話し声の主に近付いた
壁を隔てて後少しという所で話している内容が聞えてきた
特に内容なんて気にしていなかったが
その会話に自分の名前が出てしまえば誰であっても
歩みを止めて聞き入るだろう
「
〜泣かないで?良いじゃないショーグンじゃなくたって」
ショーグン、それは確かに自分が生徒から言われているあだ名
気に入っている訳でも、嫌っている訳でもないが...
まぁ、初めて付けられたあだ名だ
それなりに愛着はある
俺は何をしている?生徒の会話を盗み聞きするなど...っ
それでも聞き入ってしまうのが人の性
情け無いものだ......
俺は声の主である二人の姿を見る為に壁の端から覗く
そこには先ほど出てきた名前の本人と
その親友である少女がいた
そして俺は見たんだ
の頬をつたう一筋の雫を......
そんな
を見て、俺の心臓は激しく泣き叫んでいた
馬鹿野郎、なんて奴だ、
気付かなかった?とんだ愚か者だ
本当は気付いていた、あの日
意を決して胸の内を俺に伝えてくれた
その時に、答えてやれば良かった
いや、答えなくてはならなかった
俺は、俺は...お前が...
「好きだと.........」
俺の声は聞えない様に呟いて......
明日になればきっと君は笑ってくれるだろうか
今更だと笑うだろうか
良いだろう、今は...俺が伝えたいから
庄司せんせぇー さようなら!
ぞろぞろと帰って行く生徒達
その中には勿論、
の姿も
「
、少し残ってくれ」
「え.....あ..はい」
「えっと..じゃあ..
先に帰るね
ショーグン、!また明日!!」
「ああ、気を付けろ」
生徒の居なくなった教室、
夕日の差し込む窓辺...
の顔をと
俺の顔を優しく照らす......
「あの...話しって...」
「ああ、それなんだが...まだ、大丈夫だろうか」
「へ....?」
「良いか、もし、まだ期限が切れてなく、そのだなぁ
俺の告白を受けても、普通の女の子がしたいようなデートとか、
休日に一緒に何処かへ行くのもあまり出来ない」
一気に言い切った俺の顔を見て
はキョトンという顔だ
俺はそんな
が可愛くて、愛しくて、
そっと頬に手を添えて
「せんせぇ?」
「俺も...お前を愛している......」
の...
の唇はどんな味がするだろう?
その柔らかそうな唇に、自分の薄い唇を近づけて......
「せんせぇ....大好き..です」
〜fin〜
=アトガキ=
あー、やっちゃったよショーグン夢...実現しちゃったよショーグン
若々しいショーグンは一人称俺
体育教諭っていうのは北斗の勝手な妄想ですので鵜呑みになさらぬよう
大体ショーグン26.7歳あたりじゃないでしょうか..?(聞くな
えーただいまの時刻、約24:52
水曜日の夜に書いたんで、毎週楽しみにしている「今日から●王」を
見ながら書いて、その後にサ●ァイヴ(?)を通り過ぎ
ハッチ●ッチステーションのグッ●さんが熱唱している頃に
私はこうしてアトガキを書いています
因みにグッ●さんはソーラ●節を熱唱してました
そして私は「今日から●王」のなかではグウェ●ダルが好きですね
渋いじゃないですか ハッハッハ!しかも声優は大塚さんですよ?
美味しい......(鼻血
それでは このへんで