+ 雨宿りを二人で +














サァァァァァァァァァ・・・






空が、大粒の涙をこぼし始めた








「傘無ぇ・・・」






クソ、最悪だ  






こんなに雨が降ってくるなんて思ってなかった・・・






朝まで あんなに晴れてたじゃねぇか






「あれ、ヒル魔?」






「糞デブか。・・・今日は部活、休みだぞ」






「うん、分かった。・・・それじゃあまた明日ね」






「おぅ」






どデカい傘を差して歩く 糞デブを見ながらため息をつく











「しょーがねぇ・・・走って帰っか」











俺は、鞄を頭の上にかざし、バシャバシャと地面を蹴って走った。







































「はぁ、はぁ、」






サァァァァァァァァァ・・・






雨音と、俺の息づかいだけが聞こえる






「クソッ」






びしょ濡れの制服が体にへばり付き、思うように走れない






「仕方ねぇ。・・・雨宿りするか」






俺は、近くの店先の 屋根の下へ潜り込み、上着を脱いだ






「ついてねぇ・・・」






上着を絞ると、そこからは大量の水が ボタボタと地面に落ちる






「早く、やめよ。ファッキン雨」






そう呟きながら、俺はその場にしゃがんだ




















「もぅ最悪!」






暫くぼーっと空を眺めていると、空に叫びながら走ってくる女が・・・






「・・・?」






「ん?ぁ、ヒル魔だ」






「おぅ」








。メフト部のマネで、俺の女でもある。






少し大人っぽくて、・・・すげぇ可愛い








「どうしたんだよ、今日は姉崎と何か買いに行くって言ってなかったか?」






俺は立ち上がり、濡れて 顔についていたの髪を、手櫛で梳かしてやる






「ぁ、もう終わったよ」






「そか」






「うん。・・・ハイ。」






は 鞄の中からタオルをとりだし、俺に差し出した






「拭いたら?」






「ん、あぁ。サンキュ」






そう言って俺は、タオルを受け取り、力無く垂れ下がる 髪を拭いた。






「・・・雨、止まないね」






「そーだな」






俺は、頭にタオルを乗っけたまま、空へ向けられていた視線をに移す。






「・・・お前も拭けよ」






「ヒル魔が終わってからで良いよ」






そう言うの髪から、水滴がポタポタと滴り落ち、制服を濡らした






「風邪ひいちまうぞ。・・・こっち来い」






俺は、ぐいっ とをひき寄せ、わしゃわしゃと髪を拭いてやる






「わっ、・・・ありがと」






「ん」
















少しの沈黙。









俺は、その沈黙でさえ嬉しかった。






が傍にいてくれたから・・・









「「 あのさ 」」









俺らの声が被った






「あ、ヒル魔先に言って」






「ん、お前から言えよ」






「じゃあ、言うね」






「おぅ」






「・・・誕生日おめでとう」






「・・・あ?」






誕生日・・・ 誰の






「今日、ヒル魔の誕生日でしょ?」






あーっと・・・ そうだっけか?






「覚えてねぇ」






「なにそれ」






くすくす、と笑うと、はポケットからプレゼントらしきモノを取り出した。






「好みじゃないかもしれないけど・・・」






そう言って渡された箱を開けると、中には十字架のネックレスが






「俺にか?」






「他に誰が居るの。・・・気に入ってくれた?」






当たり前だろ?






「ん、サンキュ」






「うん」






にっこり優しく笑う






「・・・で?ヒル魔は何を言おうとしてたの?」






「あぁ・・・あれか」






ぽりぽりと頬を掻いて、上を見上げる。






何か、今更言うのも恥ずかしくなってきた






「・・・笑わねぇか」






「内容によるけど」






「・・・じゃ、言わねぇ」






「言ってよ、笑わないから」






ホントだな?






「じゃー言うぞ。『    』」








サァァァァ・・・








雨の音にかき消された声






でも、にはちゃんと聞こえたみてぇだな・・・






「あ、当たり前でしょ? なによ、今更///」






ぐぃっとを抱き寄せる






「ちゃんと言っときたかっただけだよ」








この想いを、お前に伝えたい 






ありふれた言葉でも良いから・・・








切なさや、寂しさを忘れちまうぐらい






俺がお前を シアワセ にする








 




" これからもずっと、俺の傍に居てください "








 













  - fin -








 




= 後書き =

うわわ・・・ またしてもゴメンナサイな作品ですね・・・

しかもこれまた短時間で出来ちゃいました。。。

雨のシーンが書きたかっただけです・・・ハイ。



椿、雨が大嫌いでございます。

特に、7/29でもっと嫌いになりました・・・(何故

北斗とお祭りに行き、花火を見ようと張り切っていたのに、

雨で延期になりまして・・・

雨のバカヤロォー!と絶叫しながら書き上げました。。。コレ。

そんな雨の日でも、ヒル魔さんと一緒ならHAPPY!かな、と。



これ、一応誕生日夢ですけど・・・

ヒル魔さんの誕生日っていつ?(どーん

私は 8/1(妖一)だと勝手に考えているのですが・・・

どうなんでしょ。

どなたかヒル魔さんのプロフィール、ぷりーず!(笑