>> .戸叶 視点。 <<
俺よか お前が適役だ。
+ マーガレット(裏) +
ある通りの角、俺はいつもの2人、十文字と黒木とでぶらぶら登校。
学校行ったってジャ●プ読んでっし、行ってもあんまし意味ねぇだろ?
そう言えば今日、ジャ●プの発売日だっけか。
俺は、そんなことを考えながらぼーっとしていた。
「あれは・・・」
「「 ? 」」
十文字の目線の先には、パンをくわえ寝癖を直しながら走る女。
少女マンガでよくあるヤツだ。(←みてんのか
あいつは、隣の席の。
おおよそ、のコトだから、寝坊でもしたんだろう。
「か・・・どうしたんだろうな」
俺は、ぼそっと呟いてみる。
分かってる癖して そんなことお首にも出さない、に対して結構敏感な十文字。
俺だって、そこまでバカじゃねぇ・・・
だってお前、のコト好きだろ?
何だその顔・・・俺だってが好きなんだよ。
が走ってれば、すぐ見つけられる・・・ ケドよ・・・
俺は、コミックの続きを読むさ。
俺が本に目を落とすフリをすれば、十文字がもう一度に目を落とすのが分かった。
モチ、俺の目だってに向いている。
あ、寝癖直ったんだ・・・
時計を見ながら走るなんて、器用なことしてっけどよ、
お前なら、転ぶだろ
どてっ
・・・・・・痛いな;
チラ、と十文字を見ると・・・ あーあ、心配そーな顔してやんの。
「行けば?」
俺は十文字に告げる。
「はぁ?」
何焦ってんだよ;お前・・・
「はぁああ!?!?」
黒木・・・バイクから落ちるな
「行って来い、・・・一位だぞ」
俺は、分かってる。 行けよ。
俺よか、お前が適役だ。
さて、そろそろ3人分の"はぁ?"を言いまくる黒木を、黙らせるとすっかな。
バイクにまたがる十文字。
何か興奮したのか・・・ エンジンふかしすぎだっつーの;
オラ、言わんこっちゃねぇ・・・ 黒木が煤だらけだ;
まぁ、良いか。 黙らせる手間が省けたし。
十文字が、ゆっくり歩み出した。
「今度おごれよ・・・」
俺の最後の気持ち、届いたかどうかはわからねぇ。
けど、これくらいの皮肉、ちったぁ良いよな? たまにはよぉ。
俺も、青少年ですから。 でも、泣かねぇぜ?
俺の親友なら安心だし、 あいつが良いならそれで良い。
「あー・・・俺、用があっから帰るわ」
「はぁああ!?」
黒木を残しての帰り道、本屋の前でふと立ち止まる。
今朝も見た、血液型占いの雑誌があった。
何度見ても、十文字は一位。
それに比べて俺は・・・
最下位だったさ・・・
「おばちゃーん、ジャ●プください」
〜 fin 〜