*林檎と君と接吻と*
早朝の屋上
未だ誰かが来る気配は全くないこの学校
それもその筈、なんせ今は朝の6時半だ
全く人気のないこの早朝の屋上は彼女,
にとってとてつもなく居心地のいいものだった
朝日は眩し過ぎず、そして暗すぎず
まさに朝寝日和
の日課はまずこうだ
1 朝早くに屋上へ行って好き好んでやっている部活の朝練を見学
2 飽きたらHRまで屋上で一眠り
3 HR終了後、サボリたい授業のときだけここへ来て昼寝
と、まぁ こんなもんだ
でも今日は違った。
なぜなら今日は珍しく屋上に訪問者が現れたのだった
「あれ?進くんじゃない?」
それも訪問者というのは今さっきグランドで走り込みをしていた進清十郎
この人だ。
進なら朝練が終わっても少しだけ自主トレするほどの奴なのに
今日に至っては何故か朝練も終わっていないに拘らずに
屋上へと足を運んでいる
「どうしたの?朝練あるんじゃないの?」
「・・・・・・」
何度かどうしたの?と問いかけるが進は口を閉ざしたまま
仕舞には俯いて何故か耳を赤く染め上げる
なぜそれが判ったのか?
だからさ!!彼女ににかかれば人が
一回一回見せる仕草ぐらい
パっと見で分かるのさ(某パンアニメの道化師口調)←(笑)
それにしても進はいつまでも下を向いたままで
を見ようともしない
モソモソとやっと動くの?と思いながら
が見ていると
どこにしまっていたのか、やや小さめではあるが懐にしまっておくには
大きめの木箱が出てきた
「なぁにソレ?」
いきなり懐から出てきた木箱、気にならないほうがオカシイ
進はまだ口を開かないが、木箱を開けてその中身を
に差し出した
「林檎?」
「田舎の祖父母が宅急便で送ってきた・・・嫌いじゃなければ・・御裾分けだ」
中身は林檎だった、しかし、よくこれだけの量を懐にしまっておけたものだ
と
は変な所で関心していたり
「嫌いか?」
「え・・・・・・」
嫌いな訳がない、むしろ大好物だ
それもこんなに真っ赤で生唾が出てきそうなほどおいしそうな林檎
この
が嫌いな訳が無いっ!
それでも目の前の男の意外な差出に少し戸惑った
そのことで反応が遅れたためか
進は不安げに
を見ていた
なんだ、可愛らしいところもあるんじゃないか
などと、失礼極まりないことを思いつつ
は笑顔で
”そんなことない、大好きだよ”
と進を見つめ返す
僅かであったが、ほのかに進の耳がさらに赤くなったのは見間違いでは
見間違いではないのだろうか
そのときふと
の頭に疑問が走った
「ね、どうして私にくれるの?部の人たちは?」
その質問に ウっ と詰まる進
そして徐に口を開いた
「部の皆には既に配った。」
「うん、で、どうして私にもくれるの?進くんとは隣同士ってだけだし」
のその言葉に心なしか進がしょんぼりしたように見える
なんだろ、今日はやけに表情が見れるなぁ・・・・・・
とまたもや失礼極まりない
「・・・あ、余ってしまったし、丁度
がいつも
この時間帯に屋上で部活を見ているのを思い出して・・・なら、と」
はまだふに落ちていないが取り敢えずそれで納得したことにする
「・・・・・・食べないのか?」
いつまでも食べない
に進は言う
「そんなに見られてたんじゃ食べにくいよ」
「すまん・・・・・・」
それでも進は
を眺め続けるものだから
は苦笑し、見られているまま食べることにした
どうだ?
と聞いてくる進に
うん、美味しい
と返す
すると進は安心したかのように肩に入れていた力を緩ませる
「祖父母のりんご園の林檎が口に合わなかったらどうしようかと思った」
「ううん、美味しかったよ。ありがとね」
「うむ・・・・・
」
ん? と首を傾げて進を見る
進はあっという間に
のすぐ目の前にいて
後ろのフェンスに手を置いた
これではフェンスと進に挟まれて身動きが出来ない
「何?どうしたの?」
試合と同じ様な瞳で自分を見る進に
は少なからず緊張が走る
その真剣な瞳に飲み込まれそうな感覚になったそのとき
は自分の唇に柔らかい感触を覚えた
その時点で頭は真っ白
何も考えることが出来ない
ただただ、進の唇が自分の唇に当たる感覚をかみ締めているだけだった
息が苦しくなってほんの僅か口を開くと
待っていたと言わんばかりに進の舌が進入してくる
「ふ・・ン......」
逃げる舌を追う進の舌
その時だった
丁度良く予鈴を告げる鐘がなったのだ
「
、・・・お前が・・・・・・好きだっ」
そういうと進は猛スピードで屋上を駆け下りてしまった
あれは今まで見たことも無い速さだったんじゃないか
そう落ち着いている反面、ドキドキしまくりの心臓に手を当てて
どうして拒否をしなかったのかと考えをめぐらせる自分がいたことに
はあと数秒で気がつくことになる
「席・・・隣じゃないのさ・・・・・・」
それが恋の始まりだったのかもしれない。
fin
=アトガキ=
7月29日 19:17
進夢第二弾終了。
はじめはね、こういったのを書くつもりじゃなかったんですよ
ですがね、この変態的指がですね、かってにブラインドタッチ始めちゃって
止まらないんですよ(止められない止まらないカルビ〜カッパえ●せん)
こんな夢でよかったんだろうか
ですがこの夢、思い立ってすぐに書いたところ、
およそ20分で出来たんですよ
はぁ〜思い付きって怖い
こんな進を(いいえ、私をです)許してください!!
ここまで読んでくださった
さん、
ありがとうございました。お疲れ様でした。
進「
、また・・・来てくれると俺はうれしいんだが・・・」
進くんもああ言っておりますので、また来てくださいね
でゎ。